明日遊ぶ猫

献血しながらサブ3.5の文化系ランナー。

10km@皇居

昨日は永田町のランベースから10km。
東京マラソンのあとだから人が少ない気がする。

10km(5:05/km)

10km@皇居

皇居を10km、ランニング。
永田町のランベースから。

第150回芥川賞受賞作「穴」/小山田浩子 著 の感想

新潮社
発売日 : 2014-01-24
第150回芥川賞受賞作「穴」/小山田浩子 著 を読みました。

小山田さんが書く、皮膚感覚を重視した濃密な文章は私が好きなものの一つです。
たとえば以下の箇所はかなり良い感じです。

> 私は働かねばならない。そうでなくても、何かをせねばならない。
>そうでなくても、何かをせねばならない、 体は日に日に重くなっていた。
>体重はむしろ軽くなっていた。にもかかわらず、筋肉や節々や、体の細胞一つ
> 一つがもったりと粘り、私が何かしようとするのを億劫がらせていた。
>いや、そんなまるで私のせいじゃない体のせいだというような言い訳はよすがいい。
>私は怠惰になっていて、それは丸ごと私自身から発生したものだ、今に夫が姑か
>義父母か誰かに、このなまけものと断罪されるだろう。されて当然だ、しかし、
>誰かが私に本当にそんなふうに言ってくれるのだろうか。

ダメな自分と、怠惰な自分を戒めてくれる存在を期待するという、
「べ、べつにあんたのことなんて(略」的なアンビバレンツな感情を表現がよいです。
物語のなかでもこのような表現が随所にみられて、油断ができないです。

この物語の冒頭で不思議の国のアリスの挿話があり、タイトルの穴はそのモチーフの一つですね。

> ま、皆さんはそんなものに興味がないんだろう。見えてないのかもしれない。
> 大体いちいちその辺んを歩いている動物だの飛んでいる蝉だのお落っこちているアイスの
> かすだのひきこもりの男だのを見ますか。見ないでしょう。基本的にみんな見ないんですよ。
> 見たくないものは見ない。お嫁さんだって見てないものはたくさんある

引きこもりの義兄のなにか予感めいた発言ですが。見えないものというのはあっち側の世間、
見えるものというのはこっち側の世間を暗示したものでしょうか。冒頭で穴に落ちる主人公はアリスとお同じですね。

まあ、この穴に落ちるのは主人公だけではないのですけど。


amazonで買えます。


キンドル版も発売されていますね。

かまくら作った

雪が積もってるので、かまくら作った。

そして都知事選挙に行った。
今回は難しかった。

10km@皇居

10km(5:28/km)
今日は暑い。
昨日は献血に行ったので身体が重い。

黒田如水/吉川英治 著 感想

黒田如水/吉川英治 著 を読みました。

大河ドラマの影響で書店にはたくさんの黒田官兵衛関連の書籍が並んでいるので
影響されて読んで見ました。放送は観ていないのですが……


黒田如水が、小寺政職の配下であった時代から、織田家の家臣となり、荒木村重との交渉に失敗して
幽閉・救出されるまでの20代~30代ぐらいまでのお話です。
秀吉の参謀として知略を尽くした印象とは違って、旧恩を重視して失敗してしまいます。

以前の上司である小寺の信書を携えて荒木との交渉に臨んだものの、
思いがけないことが書かれており窮地に陥るなど、戦国の時代とはいえ悲惨なものと考えました。

> 官兵衛の考えにしてみれば、小寺政職が彼にたいして、その書面のうちに、切に信長へ帰服することを勧めているものとすれば、
>村重が顔色を変えるのは、無理もないことで、むしろいかに主人小寺政職が、それを文の内容に強調しているかがわかるほどである
>――と、独りそう頷うなずいていたものだった。
> ところがである。何ぞ計らん、政職の手紙の内容は、思い及ばない事だったのである。
> すなわち政職は、自分の手で官兵衛を刺殺することは甚だまずくもあり、四囲の変乱へんらんも予想されるので、その書中に、
>――当家の家老官兵衛を、そちらへ使者としてさし向けたが、この者は由来強硬なる織田方の執心者しゅうしんしゃ故、この者ある
>うちはとかく毛利家とも尊兄そんけいとの盟約めいやくも遂行すいこういたし難い。よろしくこの機会に、ご城内において刺刀とどめ
>を加え、二度と中国へ帰ることなきように計はからっていただきたい――
> という旨が認したためられていたのである。
> すぐ前にその当人がいることなので、――正直な村重はぎくと色を更かえざるを得なかった。村重はまったく慌あわてた。しかし、
>智 略ちりゃく自他ともにゆるす官兵衛はかえってそれを見誤っていた。

また、小説ではそこまでの言及はないのですが、このようなことがあったあとでも荒木は茶人として、小寺も黒田家配下として、天寿を全うしている点も興味深いです。

この本のサブ主役ともいえる荒木ですが、戦況が不利の状況で毛利の援軍がきっとくると信じるありようや、
奥方に言いくるめられてしまうていなど時流が読めなかったなどの人物評や謀反の理由など著者によって書き方が変わる部分ですね。

別の黒田の小説を見るときの視点として、この部分にも注目すると面白いかなと思いました。

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