明日遊ぶ猫

献血しながらサブ3.5の文化系ランナー。

読書記録「ぼくはお金を使わずに生きることにした」

ぼくはお金を使わずに生きることにした

内容(「BOOK」データベースより)

イギリスで1年間お金を使わずに生活する実験をした29歳の若者がメディアで紹介されるや、世界中から取材が殺到し、大きな反響を呼んだ。貨幣経済を根源から問い直し、真の「幸福」とは、「自由」とは何かを問いかけてくる、現代の『森の生活』。


 「ぼくはお金を使わずにいきることにした」マーク・ボイル著 を読みました。この本で3点の気づきを得たので記録しておきます。


1.本当の持続可能社会とは


 持続可能社会を作るために本当に必要なことは(政府の国民年金制度を維持などではなく)石油資源を始めとするエネルギーへの依存度を低くことだろうと思います。著者は1年間お金を使わないで生活することによって、エネルギー依存度の低い生活(石油製品の未使用など)をどの程度行えるかどうかを検証しました。


2.地域社会の中での自給の重要性


 彼は森に自生しているものやゴミ箱行きで賞味期限切れ(おそらく健康上なんら問題はないと思う)の食品を譲ってもらってそれを食べています。これは地域と折り合えをつける方法として一番現実的だと思います。最初、私はお金を使わないで生きるという生活者のイメージを「衣食住すべてを自給自足で行う骨太な生活者」と想像していましたがこれは実際には労力の面で現実的ではないと思います。著者はこの点を以下のような言葉で指摘しています。


P268 結局のところ、少人数が互いに依存しあって働くことによって「地域社会の中で自給」を実現するやり方が、一番うまくいくだろうし、もっとも望ましいと思う。


 著者は最後にこの金無し生活を1年で一旦終了させ、「お金がいらない暮らしのモデル・ビレッジ」を作るための活動を開始しました。著書の印税を「お金がいらない暮らしのモデル・ビレッジ」を作るための土地購入資金にあてるようです。


 金無し生活は一人で行うよりも、ビレッジという集団で実行したほうが機能的分業の効果を期待でき、よりよい成功モデルとなるだろうという考えなのだろうと考えます。


3.お金の意味


 私たちはもっとお金というツールの意味を考えないと行けないと思っています。例えば、AさんとBさんが取引をする場合、仲介者の数はお金というツールを介しているが故にほとんど制限がありません。これによって大量の消費・廃棄という、カーボンフットプリントの観点から悪い影響が発生していると考えてよいと思います。お金というツールとしての意味をよく吟味し、お金を使わないという社会を築こうとする著者の考えも一つの選択肢として考えられても良いと思います。


 そうすると、著者、マーク・ボイル氏は、現代の森の生活者ヘンリー・D・ソローというよりもインド独立の父ガンジーに見えてきます。

このカテゴリーに該当する記事はありません。