明日遊ぶ猫

献血しながらサブ3.5の文化系ランナー。

ブラインドランナードキュメンタリー「グラジオラスの轍 - フジテレビ」

 2月28日に放送されたグラジオラスの轍を観ました。リオを目指す3人のブラインドランナーのドキュメンタリーです。選考レースでのドラマに感動しました。私も引き続き伴走者としては関わっていきたいと思います。

グラジオラスの轍 - フジテレビ

『「若者」とは誰か: アイデンティティの30年』の感想

「若者」とは誰か/浅野智彦著。

 この本は、80年代からの若者論の変遷を論じたものである。語られるキーワードは「オタク」「自分探し」「多重人格願望」「ひきこもり」「キャラ」など多岐に渡る。多くはコミュニケーション力の高低が議題にあがっている点が興味深い。これは著者が主に「アイデンティティ論」を専門とする社会学者であることだけが理由ではないと思う。つまりは、どの時代においても、いわゆる、コミュ症・KYが不利益を被るのはいまに始まったことではないという提示であろうと思う。

p127
前章でも触れた連続幼女誘拐殺人事件の犯人のことを思い出してほしい。ーコミュニケーションが全般的に苦手で、引きこもりがちな若者こそがオタクであるうという彼らの型にはまったイメージに犯人の青年がぴたりと当てはまったからであろう。

 M事件が社会に与えた影響は大きかったと思う。僕が10代の頃のオタクの一般のイメージは大体こんな感じでひどいものだった。この頃は大体、コミュニケーション不全の若者全般をオタクといった。特にアニメや特撮などの趣味人である必要はなかったと思う。ネクラはだいたいオタクといわれた。

 現在ではオタク趣味の若者は昔ほど不利益を被ることは少なくなったと思う。むしろ、積極的な消費行動が好機されたり、アニメをはじめとするオタクコンテンツが巨大なマーケットを形成している点で注目されている現実があると思う。 また、昔ほどひどい装いのオタク趣味の若者は見なくなった。ファストファッションが広がったことが理由にもあると思う。

 今の若者と昔の若者の考え方が違うのは当然のことである、若者はその時代時代に則する形で適応してきた。高度経済成長期の若者と、就職氷河期や労働市場の自由化などを経験した若者が同じような思考をもつはずがない。

 その視点のずれが「最近の若者は」「若者の○○離れ」といった言葉を生んでいる背景があるのだろうと思う。以前は、車や服飾品などでいかに消費をするかどうかが個性であった時代もあったが、いまは将来に不安を感じるものが多くなり、ロハスや断捨離などの嫌消費という考えも広がってきた。時代は変わるので、僕も将来そういったつまらない若者論を振りかざすことがないようにしたいものである

「秋葉原事件―加藤智大の軌跡」読書感想

 

 秋葉原事件を読みました。最初に決して彼に同情する気はさらさらありません。短絡的な動機でたくさんの人を傷つけてしまったことは許されざることです。しかし、彼を特別な理解し難いモンスターのように扱うことで問題は解決するのだろうかという疑問が残ります。いまも「死刑志願者」による無差別殺人を狙った犯罪は起こっています。

 

 彼のような人間が強行を起こさないために何ができるかを考えるのが、本当に優しい社会なのだろうと思うのです。また、今の社会は誰を助けられていないのかと考えます。

 

P122
藤川は、自分のこれまでの経緯を話した。店の経営が苦しいこと、家族を養っていかなければならないこと、睡眠時間もままならないほど働いていること。---
すると、加藤は目を真っ赤にして涙を浮かべた。彼は「自分の考えが甘かった」と言い、しゃくり上げて号泣した。酒に酔ったのか、何度も嘔吐した。藤川は、加藤を運転代行業者の車に乗せて、帰らせた。
この日を境に加藤は藤川を慕い、さまざまなことを相談するようになった。

 

 藤川(仮名)のような、真摯に彼に向き合う人がいることを、強行の前の彼が気づいていればと悔やまれます。


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